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緩和ケア病棟の新設鈍化を背景に「ホスピス型住宅」が急増 約8割が東日本で開設、年間退去率は6割以上

2025年1月21日

株式会社TRデータテクノロジー(本社:東京都中央区 代表取締役 田中幹雄、以下当社)は、昨今急増しているホスピス型住宅※の開設傾向について分析しました。結果は下記のとおりです。当社は全国の介護施設並びに居宅サービスのビッグデータを所有、販売する介護分野に特化したデータ会社です。2025年2月1日には、「福祉施設・高齢者住宅Data Base」にて最新版データをリリースする予定です。※ホスピス型住宅:入居者をがん末期や難病患者などに絞り、専門のケアを提供する民間ホームの通称。主に住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でホスピスを標ぼうして運営するケースが多いが特に行政上の届出や規制は無い。当社の独自基準は巻末に記載。


1)主に「がん末期や難病患者向け」ホームの運営を行う大手事業者【業界最大手は株式会社アンビス】表1は主に「がん末期や難病患者向け」ホームの運営を行う事業者の運営ホーム数上位5社である。多くががん末期の患者を対象としたホスピス型住宅を運営し、近年急速に拠点数を増やしている。この内、株式会社サンウェルズはパーキンソン病患専門のホーム「PDハウス」を運営しており、他社とは運営コンセプトが異なる。


2)緩和ケア病棟とホスピス型住宅の開設数推移【緩和ケア病棟の新設数減少が背景に】図1は緩和ケア病棟とホスピス型住宅の新設数推移である。緩和ケア病棟は2013年をピークに減少基調で推移。2021年以降は10ヶ所未満/年と低調が続く。一方、ホスピス型住宅は、年々新設数が増加。2020年以降では30ヶ所以上/年が開業しており、2023年は過去最大の61ヶ所となった。図2はそれぞれのベッド数/定員数の累計を示したグラフだが、2022年にホスピス型住宅の定員数が緩和ケア病棟のベッド数を上回った。このように、ホスピス型住宅急増の要因のひとつとして、緩和ケア病棟の供給量も影響していると考えられる。


3)ホスピス型住宅のエリア傾向【全体の約8割が東日本の各エリアで開設】図3は、全国6エリアにおけるホスピス型住宅の開設地をエリアごとに分類したグラフである。関東エリアが40%と最も多く、次いで北陸・中部エリア、北海道・東北エリアが続く。このように、関東を中心とした東日本が全体の8割を占めており、開設傾向には大きな地域差が見られる。


4)ホスピス型住宅の平均要介護度・年間退去率の傾向【ホスピス型住宅/年間で入居者の6割以上が退去する実態】図4は、施設タイプ別に、ホスピス型住宅とそれ以外に分類し、平均要介護度を比較したグラフである。ホスピス型住宅の全体平均は3.4。中でも住宅型が3.5と高く、ホスピス型住宅以外の平均要介護度を大きく上回る。図5は、年間退去率を施設タイプ別に比較したグラフである。ホスピス型住宅以外は全体平均で年に23%の入居者が退去している。ホスピス型住宅の退去率はその約3倍に相当する63%と高く、特に住宅型は66%と突出している。


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